ニュージーランド長期ツーリング<29日目 インバーカーギル~ラムズデン編>
2010-11-24

牧場によって「牛密度」や「羊密度」がかなり違う。ここは密度が高い。
(写真をクリックしていただくと、拡大画像をご覧いただけます。)
6時頃に起きてすぐにキッチンに行き、朝食を食べた。毎度おなじみの缶入りシチューとサンドイッチ。キッチンから窓の外を見るとまた雨が降っていて寒かったが、少し離れた場所は晴れていたので、これはすぐに止むと判断しし、出発することにした。

出発前、ホステルの1階で天気予報をチェック。新聞は「晴れ時々曇り」だが、ホワイトボードには「晴れ時々雨」のマークが…。


そして、ほぼ9時ちょうどに3晩泊まった「トゥアタラ・バックパッカーズ」を出発した。今日はインバーカーギルから80kmほど北にあるラムズデンを目指す。そして翌日はラムズデンから80kmほど西のテ・アナウを目指す。インバーカーギルからテ・アナウに行くルートは2つあり、ひとつは僕が選んだラムズデンを経由するルート、もうひとつは海沿いにリバートンまで行ってからTuatapepe~Manapouriを経由して行くルートだが、ガイド本の「PEDALLER'S PARADISE」によれば前者の方が圧倒的に楽そうだった。アマンダちゃんは数日前、天気予報を見てどちらにするか決めると言っていたが、その時点ではまだ「PEDALLER'S PARADISE」の情報を見ていなかったのではないだろうか。なにせTuatapepeからManapouriまでの間の80kmには町が全くなく、しかも標高400mほどとはいえ峠越えがあるのだ。彼女の脚力とあのトレーラーでは野宿になる可能性がある(まあ野宿も平気な娘なんだけど…笑)。もし彼女が今日僕と同じルートを走るのなら、またキャンプ場で一緒になる可能性が高いと思い、ちょっと期待しながらインバーカーギルを出発した。
この時はまだ天気が良かったのだが…。


インバーカーギルからクイーンズタウンに向かう国道6号線は単調だった。しかも天気は晴れたり降ったり忙しく(雨雲の下だけ雨、それ以外は晴れ)、何度も雨に濡れて寒かった。そろそろ夏だと言うのに本当にこの国は雨が降ると寒い。指切りグローブでは辛くて仕方がなかった。


11時25分頃、約30km走ってウィントンの町に到着した。それなりに大きな町だったので、これなら昨日の午後にここまで移動してもよかったかもしれないと思った。もしかしたらアマンダちゃんもそうしたかも…?


ウィントンの町で、寒かったけどベンチに座ってサンドイッチで昼食。ついでに目の前にあった「ニュージーランド銀行」に入り、日本から持ってきたオーストラリアドルのトラベラーズチェック500ドル分を換金することにした。トラベラーズチェックを使うのは大学の卒業旅行で一人でカリフォルニアに行った時以来、20年ぶり以上だ。ニュージーランドに来て以来、ほとんどカードで支払いを済ませているので持ってきた現金5万円分ほどがなかなか減らなかったのだが、たまにカードお断りの店があったり、小銭を作るために現金を使ったりしているうちに(お札を入れたら小銭でお釣りが出てくるような、日本では当たり前の自動販売機をこの国では見たことがない)、少しずつ現金が減ってきていた。トラベラーズチェックの現金化には思ったより時間がかかったものの、特に問題はなく600NZD以上の現金を手にした。



さらにバルクルーサで買ったウィスキーが昨晩で切れたので、ニュージーランド銀行のすぐ近くにあったボトルストアで一番安かったバーボン「OLD CROW」を購入し(1Lで38NZDくらいだったかな)、店内で自前のアルミボトルとプラティパスのウォーターキャリーに移し替えて、瓶はすぐ店員に返した。ガラス瓶は自転車ツーリングに持ち運ぶには重すぎるし、落車したら割れる心配もある。

12時36分にウィントンの町を出る時には天気は晴れだったのだが、気温は10℃だった。あのー、ニュージーランドって、そろそろ夏でしたよね?

14時30分、約60km走ってディプトンの町に到着。小さな小さな町だったが、一軒だけ商店があったので、コーラとチョコレートを買った。ここまでは非常に楽だった。店のおじさんによると、この先10kmの地点にbig hillが一つだけあるとのことだった。

とっくに見飽きてるはずの牧草地でも、やっぱり時々、写真を撮りたくなるような場所があるんだよね。


この日唯一のヒルクライムと言えそうな、ラム・ヒルへの上り。 ディプトンの店のおじさんはbig hillと言っていたが、距離は1kmもない。


ラム・ヒルから見た景色。


そして16時過ぎ、約80km走ってラムズデンに到着した。体力的にはかなりかなり楽だったし、スーパーマーケットの「4スクエア」があるのもうれしかった。


スーパーで買い物をした後、この町のキャンプ場に到着した。深々とした芝生だった。キャンプ場には管理人がいなかったが、「私達が戻るまで好きに使ってていいよ」と書いてあるので、利用料も知らないまま勝手に使い始めた。電話すれば料金を聞けるだろうけど日本の携帯だから通話料が宿泊料を超えてしまいそうなので、彼らが戻ってくるのを待つことにした。



3日前の朝、キュリオ・ベイで濡れたままテントを畳んで、フライシートがまだ濡れている状態だったので、とりあえず先に乾かした。天気はこの時には完全に晴れだったが、それでもまだちょっと寒かった。
アマンダちゃんに「Oh, my god! こんな狭いところで寝てるの?!」と笑われた僕のソロテントの中。アマンダちゃんのテントより1kg軽い。

キッチンで一人わびしく夕食の準備開始。


夕食のメニューはまた得意料理のソーセージ炒め(笑)と、7.99NZDで売っていた安ワインとリンゴ1個。



19時過ぎ、夕食を食べていると、もしかしたら今日も会えるかもしれないと期待していたアマンダちゃんが登場! 彼女はブラフのキャンプ場で2泊した後、昨夜はインバーカーギルのキャンプ場に泊まり、今日は僕と同じコースで来たそうだ。10時半に出発したらしい(あいかわらず遅い)。天気が悪かったのでスチュアート島にはけっきょく行かなかったらしい。彼女はニュージーランド人だからその気になればいつでも行けるし、自転車よりもトランピングの方が好きらしいので、日帰りでスチュアート島に行くよりも3泊4日とかで山小屋を泊まり歩く方が楽しめるに決まっている。

アマンダちゃんと僕のテント。アマンダちゃんのトレーラーはテントの前室にすっぽり収まった。彼女がテントを張り終える頃にまた小雨が降ってきたけど、幸いすぐに止んでくれた。


アマンダちゃんは「お昼にいっぱい食べたから」と缶詰めの豆とプチトマトだけの簡単な夕食で済ませた後、いつものようにKindleで読書し始めたが、21時前には「もう寝なきゃ。おやすみ」と言ってテントに戻っていった。彼女は自転車に乗る時は12時間の睡眠が必要なんだとか。僕がいつも6~7時間くらいしか寝ないと言ったら驚いていた。これでもニュージーランドに来てから長くなったんだけど…。

管理人も現れず、他の宿泊者も現れず(忘れ物を取りに来たカップルはいたけど)、広いキャンプ場に最後までアマンダちゃんと二人きりだった。彼女もここの料金を知らなかったが、到着するなり友達と長電話はしていたものの管理人に電話しようとはせず、もしこのまま誰も来なければ「正直箱(Honesty Box)」に10NZDを入れて去るつもりだと言う。

22時過ぎにキッチンをテントに戻り、音楽を聴いてるうちに眠くなって、たぶん23時頃に寝た。
